■太地大介という男 (その2)
…もちろん食える訳もなく、私と太地大介と、みわみわの3人は毎日ただ、だらだらと漫画を描いていた。(小池たかしは当時、自分の漫画を自宅で描いていて、時々週刊少年ジャンプ等に短期連載等をしていたので、私達の〆切が間に合いそうもない時などに時々手伝いに来る程度だった。)
私は大学をほぼ卒業(?)していたが(実はこの時はまだ四回生で全く大学に行っていなかった)、弟の太地大介は一応現役の大学二回生であったが…休みがちであった。みわみわも一応専門学校の学生であったが、学校には全然行っていなかった。
当時、私の父親が亡くなったばかりで、上の2人の兄達が親父の跡を継いで実家の横で工場をやっていた時はオイルショックの真っ只中で工場は超忙しいが、超人手不足でもあった。
ある朝、徹夜で花田秀次郎くんシリーズを仕上げて弟と二人部屋で寝ていたら、突然兄が部屋に入ってきて枕を蹴り上げてこう叫んだのである。
「このボンクラ! ええ大人のくせにくだらんマンガなんか描かんでええから、はよ手伝えーっ!!」
…つづく
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