太地大介の思い出 その7
■自転車の話-3
『おっ やるんかコラー』
近づいて来た弟に、バイクにまたがった大男はチェーンを持ち替えた。
弟は更にゆっくり近づいてゆく。
(マズイ 弟の奴 ホンマにやる気や!)
向こう見ずで、相手に言い掛かりをつけられたら、必ずやる。
単純というか純粋?というか、バカの一つ覚えの様に、こんな時決して逃げないのが弟(太地大介)の性格だ。
私は慌てて自転車を、2人の間に割り込ませた。
『こらー いてまうぞワレー!!』
と大声で怒鳴りつけ、相手をにらみつけた。
(マズイなぁ、ケンカになって、こんな奴ケガさせて警察の厄介になったら、オレの漫画家としての将来が…)内心ではかなり動揺していたが、しかたがない。
(コイツがクサリ振り回す前に、ひっ捕まえて袋叩きにしてやる)と覚悟を決めた。
...つづく
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