2013年8月24日土曜日

どおくまん 特別エッセー

太地大介の思い出 その7

自転車の話-3

『おっ やるんかコラー』

近づいて来た弟に、バイクにまたがった大男はチェーンを持ち替えた。

弟は更にゆっくり近づいてゆく。
(マズイ 弟の奴 ホンマにやる気や

向こう見ずで、相手に言い掛かりをつけられたら、必ずやる。

単純というか純粋というか、バカの一つ覚えの様に、こんな時決して逃げないのが弟(太地大介)の性格だ。

私は慌てて自転車を、2人の間に割り込ませた。

『こらー いてまうぞワレー!!』

と大声で怒鳴りつけ、相手をにらみつけた。

(マズイなぁ、ケンカになって、こんな奴ケガさせて警察の厄介になったら、オレの漫画家としての将来が…)内心ではかなり動揺していたが、しかたがない。


(コイツがクサリ振り回す前に、ひっ捕まえて袋叩きにしてやる)と覚悟を決めた。


...つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿